人生をかけたひとつの趣味とのお別れ
趣味との別れ
私は洋裁が趣味のひとつ、楽しみのひとつでした。
ただ、年々
「作る時間がもったいない」
「買った方が早い」
という気持ちが強くなっていました。
でも洋裁はずっと好きで続けてきた事。それを否定する事は過去の自分を否定する事になるような気がして気付かないようにしていました。
ですがある日はっきりと思ったのです。
それはある日コートの玉縁ポケットを作っていた時の事。
コートにポケットをつくるために切りこみをいれるのですが、すごくいい加減に切れ込みを入れたのです。結果当然のようにできあがりはひどい有様で、とてもじゃないけど着れるレベル・納得できるレベルにならずその上生地も足りなくなってしまい、コートを作る事を諦めました。
その時に
『もっとちゃんとやることもできたのに完全に妥協してやろうとした自分』
にはっきりと気づきました。
多分「飽きた」んだと思います。
一時期はそれを職業にまでしていたのにも関わらず、あんなにも作る事が好きだったのにも関わらず作っていてもノルマをこなしている感じがあって「楽しくない」のです。
それに気づかないふりをして必死に作ろう、作ろうとしていた自分がいました。
その時「あぁ、もうこれは私の楽しみではなくなってしまった」とその事実をようやく認めました。
なので少しずつですが、ミシン以外は処分していくことを決めました。
こうして人は変化していくのですね。
何かを作るのはやっぱり好きですが、休みの日を全て使ってやる事はもうできないし、時間を洋裁だけに使っていた日々が懐かしいです。
でも過去の作品などは写真やDVDなど映像に収めているので、見るたびその時の楽しみに作っていた気持ちなどが甦ってきます。
それで十分なのかもしれません。